「下北沢バックヤードストーリー」は少年漫画における修行編を35歳がやっている漫画
こんにちは。
漫画大好き女子(真顔)です。
最近読んだ「下北沢バックヤードストーリー」という漫画が面白かったので話をさせてください。
表紙のおっさんの絵が良い。
まずね、この漫画の悪いところというか、ギョッとするところを言うと「オタクの中のオタク部分を接待する」気が全然ないんですよね。
登場人物にこういう要素があれば好きになってもらえるだろうという計算がない。
こんな展開見せられたら感動しちゃうよ〜〜みたいのもない。
いや、私がわかってないだけであるのかもしれないですけど。
むしろ、
漫画読んでるオタクはこんなインモラルな性体験も恋愛経験もありませ〜〜〜ン💢
置いてけぼりで〜す💛
ってなる。
じゃあ何がフックとなってページを手繰らせているのか?
それは、私も(主人公の)椹木35歳におんぶに抱っこで成長したい!からです。
啓蒙漫画ですこれは。ビジネス新書です
実は、この漫画は古着漫画であると同時に主人公が別居中の彼女と復縁するために頑張る圧倒的成長・圧倒的感謝・漫画なんですね。
そんな漫画面白いわけないだろ!....いや、読んでみないとそれはわからないよね?
だから、読んでみよう。検証してみよう。日々感謝を忘れないようにしよう。
話の構成は、
過去の失敗した恋愛である元カノに主人公がどんどん会いに行って話を聞くことで成長をしていき、最終的に今カノに戻ってきてもらうことをゴールにする!
というものです。
文章にしたらわかりますが最悪の修行編です。
相手への迷惑を考えてないんですよね。元カノに会うってこと自体が攻撃だぞ!っていう・・。でも漫画は文章だけじゃないので大丈夫です。よかった〜
そんな修行を実行してしまうぐらいには主人公は愚かなので、合わない人もいるとは思います。ただ、そういう不快さに耐性がある、フィクションだと割り切れる漫画読みの方なら楽しめると思うので、ぜひ1巻だけでもね、どこかで読んでいただければと思います。
2巻の方が不快指数低いです。
おすすめの漫画の話をしているのに、まず悪いところを書いてしまいました。
いいところの感想も書いてみようと思います。
・古着の話が面白い
古着漫画だからね。
でも本当にストーリーとうまく絡まっていて、話が進むにつれ主人公の古着に対する歪な愛の形が浮き彫りになっていくのがリアルでいいです。
私の話ですが、山手線に居た熟女が履いていたカッコいいレースアップブーツを求めて一ヶ月ずっとネットとリアルを彷徨っていた(ディグっていた)大学一年の頃の服に対する熱量を思い出しました。今はそこまででなくとも、服が好きだった時期がある方には面白い漫画だと思います。
また、古着を通して「好きなことを仕事にした人あるある」もよく描かれていると思います。幸運にも元々好きなことを仕事にしてしまった方はこの漫画でアイロニーを感じてください。
・こういう人(私の中に)いる〜!
人物描写が巧みなんですね。
主人公の古着屋で雇われているバイトの大伴くんは恋愛マウントを吹っ掛けられると幼稚舎時代、痴女に喰われた経験(?)を引き合いに出して「俺の方が恋愛市場において上だ!」と売り言葉に買い言葉で返しているのに、別の場でその経験をいざ引き合いに出されると極度に嫌がるのですが、この描写本当に鋭いな〜・・と思って。
恋愛・性に関することってあまりにも社会において話題になることが多いから、自分の中で手札として用意されてるんですよね。
だから、もし何か質問された時にとりあえず反撃するためのカードとしてサッと取り出せる。
ただ、同時に無意識の領域に近い、デリケートな話題でもあるじゃないですか。だから時と場合によってはトラウマに近いものになっている・・っていうね。
やだ。重いわこの話題。
同じくバイトでもう1人山塚くんという人もいるのですが、こちらもいいキャラなので、ぜひ注目してみてください。
終わり。