Blender初心者がフィギュア作ってみた
こんにちは。
フィギュア・模型制作といえばZburshかCADだと思いますが、フリーのモデリングソフトとして不動の人気を誇っているBlenderを使ってフィギュア制作をすることにしました。
で、ポリゴンモデリング&スカルプトモデリング自体についてはいっぱい情報が出てくるのですが、3Dプリントを使ったフィギュア制作については情報が見つけにくかったので、ここに私の奮闘を書いておこうと思います。
今回は参考になったいろんなURLを貼るのですが、ここはわからなかったのでこうした!というのも書いていきます。一番参考にしたのは林田宗篤さんのこの一連のツイートです。
こんな感じ
— 林田宗篤 (@MuneatsuH) 2019年8月19日
ただの四角にサブディビジョンをかけて移動とスケールで調整
少ない頂点を移動してシルエットを整えることだけに集中できるのでブラシでゴリゴリ掘るより簡単です。 pic.twitter.com/DXBWShp3Ub
モデリング編
まず、プリントするために把握しておきたいこと
・裏面もちゃんと作る
・辺や面が交差してなくて現実には存在できない形ではないかチェックする
・Blenderで設定したスケールはstlに書き出したときちっさくなる
・全体的に薄いパーツを作らない(5mm以上の部分を確保)
それでは、実際にモデリングを始めていきましょう。
まずは必要なBlender用のアドオンを入れておきます。
アドオンっていうのは他のBlenderユーザーや運営(?)が公開してくれている追加機能です。
有料のものもありますが、今回は無料範囲でやってます。
形状の調整が終わったらBoolTool>AutoBoolean>Unionでメッシュを結合します。
— 林田宗篤 (@MuneatsuH) 2019年8月19日
BoolToolはアドオンです。 pic.twitter.com/DRutZlzt7n
今回私がデフォルト状態から使えるように変えたアドオンは
F2、Looptools、BoolTool 、3DPrintBoxの4つだけです。
で、一番最初に使うのがBooltoolですね。
Booltoolは割と扱いが簡単なアドオンでして、オブジェクトを統合したり減算したりできます。
それデフォルトの機能でもできるけど・・?
とは思いましたが、こっちを使った方が基本的には楽らしいです。
実感はまだできていない。
次に使うのがLooptoolsとF2。
この動画で二つとも出てきます。
髪の毛以外にもベルトとか細くて曲線状のものにも使えます
動画内で髪の毛はブッ刺しで作ってますが、フィギュア造形でもブッ刺しで問題ないです。
あとで頭のオブジェクトと髪の毛を一回統合するので。
Looptools、F2は次の仕上げの段階でも使うので必須ですね。
モデリング大体終わってプリントのためのデータ作成編
ブーリアン用メッシュで切り取る方法です
— 林田宗篤 (@MuneatsuH) 2019年8月23日
切り取りたい部分を包むようにパーツを配置してブーリアンで減算します
次に切り取られた方のメッシュを複製してブーリアンのOperationをIntersectに変更するとパーツを2つに分割できます
終わったらモディファイアをApplyします pic.twitter.com/tYJHFo22uo
この方法便利でした
ポリゴンモデリングにはCADと違うところとして裏と表の概念があるのですが、
ちゃんとオブジェクトの表面が表として設定されていないとブーリアンに失敗したり、
プリントする時にエラーが起きたりするので、モデリングが大体終わった頃に適宜直していきましょう。
私が参考にしたブログ記事↓
切断面をLooptoolsのフラット化で整えたら次はダボ付けです。
Solidifyモディファイアをかけて0.05~0.1mmくらいの厚みをつけてApplyします
— 林田宗篤 (@MuneatsuH) 2019年8月23日
内側のメッシュを選択して分離、法線を反転します
大きい方が減算(凹部)用、小さい方が加算(凸部)用です
2つのダボを重ねてエンプティに親子付けします pic.twitter.com/Rxq7wyB5ZN
これ、ソリッド化すると面の向きがめちゃくちゃになるのでうまくブーリアン結合できなくて私には使えませんでした・・。普通にスケールを拡大して大小のダボを作ったので大きな問題ではありませんでしたが。
パーツ分けできたお⭐️
FE3Hよりダークナイトの馬。(顔だけ)
色が同じになってますが上顎とか角とかもパーツ分けされてます
ここでBlenderからパーツごとにstlファイルを書き出して
天下の(Mayaとか出してる)AutoDeskが作ったフリーソフトなので安心してください。
分割が終わった胴のパーツをMeshMixerにインポートしたところです
— 林田宗篤 (@MuneatsuH) 2019年8月23日
31.1*26.2*33.9mmの大きさなのですが寸法がずれているのでスケールを1000倍にしてもう一度インポートしました pic.twitter.com/CCn2obapAM
大きさがずれているあるある
パーツ分けされている作品では致命的だと思われるので確認しましょう
あと、Blenderでどうしても直せない、どこで破綻しているのかわからないエラーは
MeshMixerのソリッド化や修復を使って直せます。
立ち位置としてはモデリングソフトとスライサーソフトの中間ですね。
ソリッドタイプやソリッドの精度、メッシュ密度を調整して更新するといい感じになります
編集>中空を押すと自動的に中空構造にしてくれます
— 林田宗篤 (@MuneatsuH) 2019年8月23日
厚さを1mm~2mmくらいにします pic.twitter.com/DAArraV5LY
中空構造について。レジンとプリンターの性能にもよるとは思うのですが私は複製作業中に原型が崩壊する原因になってしまいました。
ワァ....ワアアアア....
ショックすぎてちいかわになっちゃった。
これは外側のレジンにはちゃんと紫外線が当たっていて硬化できていたんですが、
内側のレジンに光が当たっていなくて十分に硬化できていなかった(ふにゃふにゃだった)ことによる失敗でした。
使うプリンターとレジンの情報をしっかり調べましょう。
詳しい人に聞くのが一番いいと思います。
プリントが終わった後
前後しましたが、これが印刷終わった素の状態です。
まずはサポート材をニッパーで切っていきます。プラモデル用の刃が薄いやつを使うと便利です。
その後、光造形でも積層痕は結構見えるので、丁寧にやすりがけしましょう。
私はできるだけ手作業でやすりがけしたくないので安いルーターを買いました。
Bigmanの3500円くらいのやつです。
参考にしたURL ↓
サフをスプレーして原型完成。
塗装用にピンを刺すための穴が空いていてもシリコン複製する分には問題なかったのでそのまま進めてください
気になる方はパテとか保育ねんどとかで埋めてもろて
シリコン型複製も一応練習したやつ。原型崩壊してるけど
レジン原型は劣化が激しいものもあるので複製しとくに越したことはないですね。
型の作り方はBlenderも3Dプリントも関係ないので他で見て貰えばと思います。
表面の気泡はシアノンという粉入り瞬間接着剤で対処しました。
バリとって完成です。
感想
3Dプリンター、楽しい。
複製、楽しい。